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助産学校の分娩介助実習 【お母さんの異常編】安全な分娩介助の鍵は異常な兆候を知ること!

皆さんこんにちは!

助産師ブロガーのえりです!

よろしくお願いします!

 

お産の一般的な流れは

①陣痛が来る

②陣痛が強くなり子宮の入口が開く

③破水する

④赤ちゃんが産まれる

⑤胎盤が出る

です。

 

ただ、お産は個人差があります。

1人として全て同じ経過を辿るということは有り得ません!!

 

中には、所謂『異常』と呼ばれるようなお産を経験する方もいます!

異常をそのままにしておくことは母子の命に大きく関わります!

そのため、異常には適切な対応が必須です!!

 

基本的に、学生は合併症などを有する特記のある産婦を受け持つことはありません。

ただ、妊娠経過が問題なくても分娩進行中に異常に転じる産婦もいます。

そのため、学生の時から異常を知っておくことは重要です!

分娩介助実習 異常編

分娩時の異常には程度に応じて、

・様子を見てもよいもの

・すぐに対応が必要なもの

があります!

そのため、異常をしっかり把握しておくことが安全な分娩介助に繋がります!!

 

そもそもお産の時の異常は様々あります。

大きく分けると2です!!

①お母さん因子

②赤ちゃん因子

によるものです!

お母さん要因の異常とは

今回は

①のお母さん因子

についてお話ししていきます。

 

まず、お産の時に把握しておくべき重要な情報の1つに妊娠中の経過があります!

赤ちゃんは命を授かってから産まれるまでの約10ヶ月間ママのお腹の中で育ちます!

そのため、ママの食生活や体内環境が赤ちゃんの発育状況にも影響してきます!

特に、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの合併症の有無の確認は必須です!

 

妊娠糖尿病であれば赤ちゃんが巨大児となる可能性があるため、

分娩停止のリスクもあります。

妊娠高血圧症候群であれば、

いつから血圧が高かったのか、

どのくらいの値で経過しているかということも重要です!

その理由として、妊娠高血圧症候群は赤ちゃんの発育に影響を与えます!

妊娠高血圧症候群は血流の問題などから胎盤の形成にダイレクトに影響を及ぼすからです!

 

胎盤の形成に影響が及ぶとどうなるかを簡単にお話していきます!

胎盤とは赤ちゃんに必要な栄養や酸素を豊富に含んでいる成長の源です!!

そのため、胎盤は赤ちゃんが成長するために必要不可欠なものです!

胎盤からへその緒を通じて、ママから赤ちゃんに栄養や酸素が送られます。

また、赤ちゃんからママに二酸化炭素や栄養を消費した時に出る代謝物を送ります。

イメージとしては

私たちが普段口から食事と酸素を取り込み

尿や便として排泄している一連の流れを

へその緒と胎盤を介して赤ちゃんは行っているということです。

そのため、胎盤の形成不良などは赤ちゃんの成長が阻害されてしまう可能性があります。

 

妊娠高血圧症候群を合併すると

起こりやすい赤ちゃんへの影響の1つとしてFGRという現象があります。

FGRとは週数に対して成長が緩徐な状態のことです。

酷い場合だと1週間、2週間経過しても成長がみられない赤ちゃんもいます。

お腹の中でこれ以上の成長が見込めない場合は、

医師の判断で帝王切開を行うことがあります。

週数が早くても明らかに成長が見込めない場合は、

逆に早めに外に出して外で成長出来るようにNICUなどで治療を行うことがあります!

 

このように、血圧は赤ちゃんの成長に大きく関係します!

そのため、妊娠中から血圧の管理は非常に重要になってきます!

また、妊娠高血圧症候群の産婦の血圧の管理は

経膣分娩であれ帝王切開であれ非常に重要になります。

学生の場合は基本、妊娠高血圧症候群などの

合併症のある産婦を受け持つことはないと思います。

しかし、妊娠経過で異常が無かった産婦が

分娩進行中に血圧が上昇し、弛緩発作まで至るケースもあります。

 

子癇発作とは

血圧の上昇が起き、意識消失や痙攣発作が起きる現象です。

そのため、妊娠経過が問題無かったからと安心するのは危険です!

 

陣痛は痛みを伴います。

陣痛によって血圧が上昇する方もいます。

そのため、定期的にバイタルも計測していく必要があります。

いくら合併症が無いとしても、学生が受け持つ産婦さんが

必ずしも順調な経過を辿るとは限りません!

そのため、異常な値が出た時にどのようなリスクが

あるのかを把握しておく必要があります。

 

リスクが分かっていないと指導者さんへの報告が遅れてしまうことがあるかもしれません。

異常な値をそのままにすることによって、

母子の命を危険に晒す可能性があることを念頭に置いておきましょう!

おわりに

最後までお読み頂きありがとうございます!

妊娠中たとえ合併症などの異常が無くてもお産中に異常に転じることがあります。

そのため、妊娠中の経過とお産の経過が重要です!

バイタルや本人の訴えも重要になるため注意して見ていく必要があります!

次回以降もお読み頂けると幸いです!

ありがとうございました!